薬剤師を辞めたい!よくある理由10選や対処法、男女別の注意点も解説
薬剤師として働いている人の中には、「薬剤師を辞めたい…」と考えている人もいるのではないでしょうか。
しかし、辞めたいという衝動に駆られて感情的に行動してしまうのは避けておきたいところです。
- 薬剤師を辞めたいと思う理由
- 薬剤師を辞めるかどうかの判断基準
- 薬剤師を辞めたいと思ったときにすべきこと
薬剤師を辞めたいと悩んでいるなら、まずはこの記事を参考に自分の状況を客観的に確認してみましょう。
辞めたい人はどのくらい?薬剤師の離職率を解説
薬学部で勉強を積み、国家試験を乗り越えなければ得られない薬剤師資格。薬剤師の離職状況はどうなっているのか、気になるところです。
株式会社ネグジット総研が2009年4月から2020年3月までに実施した、保険薬局に勤務する薬剤師を対象に行った保険薬局の離職率実態調査を確認してみましょう。
パート薬剤師の場合、入職率は24%、離職率は21%となっており、最も比率が高い結果となりました。
薬剤師が辞めたいと思う理由10選
理想と現実のギャップがある
「先進的な薬の勉強ができると思っていたのに、実際は単純作業がメインだった」など、思い描いていた仕事内容が想像と違ったということもあるでしょう。
思うような仕事ができず、考えていたキャリアにつながらないなど、仕事内容でのギャップは辞めたいという考えに直結しやすくなります。
仕事が向いていないと感じる
ミスは誰にでもあるものですが、人の健康を預かる薬剤師という仕事をしている以上、調剤過誤は重大なミスにつながります。
一度ミスをしてしまうと、必要以上にミスが怖くなってしまうことも考えられます。
労働環境が悪い
薬剤師業界は、基本的に人手不足です。その背景から、薬剤師ひとりに対する業務量が多い職場も少なくありません。
残業代があるとしても、十分に休息が取れない状態が続くと、体にも悪影響を及ぼすでしょう。
人間関係が悪い
人間関係の良し悪しは、働きやすさに大きく影響します。
また、薬剤師は女性の割合が多いことも、人間関係で悩みやすい理由のひとつです。
閉鎖的な環境の中、どうしても相性の悪い同僚がいる場合、大きなストレスになるのは間違いありません。
教育体制が整っていない
未経験の職場に転職したものの、教育体制が整っておらず、独学で学ばなければならなかったり、放置されたりするというケースもあります。
薬剤師は日々新しい情報をキャッチアップしていく必要があるため、教育体制や研修制度が整っていないことは、薬剤師としてのキャリアにも影響があります。
正当な評価を得られない
頑張ったり長く働き続けたりしても、昇給がほとんどない場合、正当な評価を得られないと感じてしまうでしょう。
小さな規模の薬局の場合、大企業のような評価システムが整っておらず、評価につながらないということもあるでしょう。
給与や待遇への不満
給料が低い、残業が多いといった不満も、辞めたいという気持ちにつながります。
薬剤師の給料は、就業先によってもバラつきがあり、職場内格差が生じることもあります。
計算するとパートの時給よりも低かった、という声もありました。
経営方針の変化
調剤薬局やドラッグストアの場合、事業拡大や縮小などにより、方針や運営体制が変わることがあります。
現在は中小調剤薬局がたくさんありますが、今後は大手調剤薬局をメインに統廃合が進む傾向にあります。
出世を期待できない
ある程度働くと、その職場でのキャリアビジョンが見えてくるでしょう。
職場によっては、これから長年働いたとしても出世が期待できないケースもあるはずです。
閉鎖的な環境が辛い
薬局は小さな空間を職場とするケースが多く、どうしても閉鎖的になりがちです。
明るい雰囲気で働けるのであればいいのですが、そうでない場合は息が詰まって辛いこともあるかもしれません。
辞めたいと思ったら転職すべき?見極める基準とは
教育環境がない
教育環境やフォロー体制がないのであれば、できるだけ早く転職すべきでしょう。
調剤が中心だと慣れることで惰性でこなせるようにもなるため、学ぶ意欲の低下にもつながるでしょう。
定期的な研修や学会発表を行う会社は、向上心を持つ薬剤師も多く在籍しており、職場に活気がある傾向にあります。
助け合いの精神がない
職場に助け合いの精神がない場合も、転職を検討すべきです。
助け合いの精神がない=職場の人間関係が良くないとも言えます。ストレスをためず楽しく働くためにも、良い人間関係が築けている職場を選ぶことが大切です。
不満を訴えても改善がない
意を決して上司に現状の不満を訴えたという人もいるでしょう。
会社は無理な訴えでない限り、何かしらの対処をしてくれたり、対策を考えたりするなどして、対応してくれるはず。
ブラックな職場環境
月間40時間以上の残業がある、残業代がつかない、休みが思うように取れないといった職場で働く薬剤師もいるかもしれません。
ブラックな職場環境では、心身ともに病んでしまう恐れもあります。
辞めたいと悩んでいる状態が長期間続いている
「転職するべきか、それとも続けるべきか…」そう考えている間に長期間経過してしまった、そんな人もいるかもしれません。
悩みや不満が一時的というケースもありますが、半年以上同じ状態が続いているなら、解決する見込みが少ないでしょう。
職場に相談できる相手がいない
職場に何でも相談できる相手がいれば、多少の不満には目をつぶれることもあります。
職場以外の人に相談するのもいいですが、職場内でなければ共有できないこともあるでしょう。
悩みを相談できないと、ストレス解消できず、フラストレーションがたまるばかりです。
体調やメンタルに不調が生じている
体調やメンタルに不調が出ている場合は、できるだけ早く退職するのがベストです。
- 何をするにも元気が出ない
- イライラして怒りっぽくなった
- 気持ちが落ち着かない
- 動機がして息苦しい
- 食欲がなく、食べてもおいしくない
- 寝付けない、熟睡できない
- 夜中に何度も目が覚める
上記のような症状は、心の病気の初期サインの可能性もあります。
今後働けなくなる危険もあるため、上記に当てはまる症状があるなら、早めに辞めて体調を整えるようにしましょう。
薬剤師を辞めたいときにすべきこと
上記のような理由でない場合、すぐに辞めてしまうのではなく、転職のための準備期間を設けるのがおすすめです。
薬剤師転職のプロに無料相談をしてみる
薬剤師を辞めたいと感じてしまった時は、まず薬剤師転職のプロに無料相談をしてみましょう。
1人で抱え込むのではなく、誰かに話すことで自分が薬剤師を辞めたいと思っている理由を明らかにすることができ、精神的にも楽になれるでしょう。
実績を作る・コミュニケーションスキルを磨く
実績を作ったりコミュニケーションスキルを磨いたりしておくと、転職活動にも役立ちます。マネジメント業務の実績があると、転職活動でも有利になるでしょう。
また、調剤薬局の場合は特に、かかりつけ薬剤師として服薬指導や健康管理を行うコミュニケーションスキルも求められるでしょう。
辞めたい理由を明確にする
ネガティブな感情のままに転職を決めると、後で後悔することにもなりかねません。
給料の低さが理由ならどれくらいの額を求めているのか、労働時間が理由なら求める勤務時間、人間関係が理由ならいつどんな状況がストレスなのかと、細かく分析してみましょう。
勤務先に対する条件が明確になるうえ、ミスマッチが生じにくくなります。
薬剤師の経験を活かせる職種に就く
薬剤師資格や経験を活かして、別の職種に就くという選択肢もあります。
- 製薬会社(研究や開発、MR、DIなど)
- 卸売販売会社(医療医薬品の品質管理や情報収集)
- 研究機関(新薬開発など)
- スポーツチーム(選手のケアやサポートなど)
- 大学院(博士研究員、教授など)
医薬品に関する幅広い知識やコミュニケーションスキルが備わっている薬剤師は、転職先に選択肢も広いでしょう。
また、他業種であっても、在宅医療の現場や学校薬剤師といった仕事も、薬剤師で得たスキルを活かすことができます。
【薬剤師向け】退職届の書き方
退職する際はできるだけ、トラブルを避けたいものです。そのためには、正しい退職届の書き方を理解しておく必要があります。
ここでは、薬剤師向けの正しい退職届の書き方を紹介します。
退職届を書く際の事前準備
退職届を書くにあたって以下を用意しておきましょう。
- 無地の白い封筒
- 白い便箋
- 黒いインクのペン
- 朱肉を使って押印するタイプの印鑑
手書きで退職届を作成する場合は、白い便箋に書きます。A4もしくはA5の用紙に記入するのが一般的です。便箋を入れる封筒は必ず白い無地のものを用意しましょう。
退職届の書き方
ここでは、実際の退職届の書き方について紹介します。まず、退職届に記入する退職理由は詳しく書く必要はありません。
横書きはNGではなのですが、縦書きで作成した方が無難でしょう。
①冒頭
冒頭の一行目は、「退職届」または「退職願」と書きましょう。
②文の導入
二行目の一番下には「私儀」もしくは「私事」と記入します。私儀(わたくしぎ)とは私個人ことを謙遜した表現です。
③退職理由
退職理由はテンプレート通りで以下のようにしましょう。
「このたび、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたします。」
④届出年月日
退職届を提出する年月日を記入します。
⑤所属と氏名
所属には正式な部署名、氏名はフルネームを記入します。
⑥押印
氏名の下に、押印します。シャチハタではなく、朱肉を使って押印するタイプの印鑑を使いましょう。
⑦会社の正式名称
会社の正式名称を記入します。前株、後株には気をつけましょう。
⑧宛名
企業や薬局の最高執行責任者を記入します。敬称は「殿」もしくは「様」としましょう。また、宛名は自分の名前より上に記入するのがマナーです。
退職時に会社に返却するもの
退職届を出したら、本格的に退職の準備を進めることになります。ここでは、退職時に会社に返却するものを紹介します。
- 社員証、名刺、名札
- ユニフォーム
- 健康保険証
- 交通定期券
- 社内資料
基本的に会社から支給されているものは全て返却しなければいけません。退職届を出したら、私物と会社の物を選別しておきましょう。
交通定期券の購入のために前もって交通費が支給されている場合は、交通費の返還を求められる可能性があります。
退職時に会社から受け取るもの
次に退職時に会社から受け取るものについて紹介します。
- 年金手帳
- 薬剤師免許
- 源泉徴収票
雇用保険被保険証
- 離職票
年金手帳や薬剤師免許に関して、会社に預けていない場合は受け取る必要がありません。雇用保険被保険証は、雇用保険に加入していたことを証明する書類なので、受け取った後はなくさないようにしましょう。
とはいえ、転職先が決まっている場合、離職票の受け取りは不要です。不必要な場合は、事前に伝えておくと親切です。
離職票は会社ではなくハローワークが発行するので、手元に届くまでに時間がかかります。
【男女別】薬剤師を辞めたい場合の注意点
【男性薬剤師】将来のキャリア形成を考える
女性はライフスタイルの変化による退職や転職も多いのに対し、男性の場合はどうしても転職のハードルが高くなってしまう傾向にあります。
ネガティブな転職理由をそのまま伝えてしまうと、マイナスイメージを与えてしまうこともあるでしょう。手に入れたい年収や将来的なキャリア形成を明確にしておくことで、転職の成功率が高まります。
【女性薬剤師】これからのライフプランを考える
女性の場合、ライフスタイルが仕事に影響を及ぼしやすくなります。転職を考えるにあたり、これから先10年のライフプランを含めて考えておく必要があるでしょう。
もちろん、今後のキャリア形成についても考え、キャリアアップのための転職をするのもいいでしょう。
薬剤師を辞めたいと思ったら転職エージェントを活用しよう
薬剤師の転職は、転職サイトではなく転職エージェントを活用するのがおすすめです。その理由を解説します。
転職すべきかどうかを相談することができる
「転職しよう!」と決意するまでに時間がかかることもあるかもしれません。転職エージェントは転職市場を熟知したアドバイザーが担当につき、転職をサポートしてくれるサービスです。
転職すべきかどうか悩んでいる、誰かに背中を押して欲しい、客観的に判断して欲しいといった人は、転職エージェントに相談するのがおすすめです。
求人の選択肢が増える
転職エージェントを利用すると、転職サイトには掲載されない非公開求人を紹介してもらうことができます。
公開求人に加え非公開求人もチェックできるため、仕事探しの選択肢が広くなるでしょう。
企業とのやり取りを代行してくれる
転職サイトを利用した場合、応募などは全部自分でやらなくてはなりません。
給料交渉や入社日までしてくれることもあるのがうれしいポイント。
薬剤師を辞めたいと感じたら薬剤師転職のプロに無料相談!
薬剤師を辞めたいと感じている方はまず薬剤師特化型の転職エージェントに相談してみましょう。無料で利用できるサービスであるため、誰でも気軽に利用できます。
ここでは非公開求人の紹介や選考対策も充実している転職エージェントおすすめ3選を紹介していきます。
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求人特集や転職ノウハウといったコラムも充実しており、転職活動に役立てることもできるでしょう。
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出典:薬キャリAGENT
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マイナビ薬剤師は、薬剤師求人に特化した求人検索と転職エージェントを利用できるサービス。薬剤師専任アドバイザーの情報力と交渉力で、希望の転職を叶えます。
薬剤師の転職を助けるコラムやツールも充実しており、はじめて転職活動をする薬剤師にもおすすめです。
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出典:マイナビ薬剤師
ファルマスタッフ
- 調剤薬局を中心とした薬剤師求人を多数保有
- 人材派遣も行っておりサポートも充実
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ファルマスタッフを運営しているのは、グループ企業に調剤薬局の大手チェーンを持つメディカルリソース。調剤薬局の求人を中心に、薬剤師の求人を多く保有する転職エージェントです。
全国に12拠点展開しており、求人先には直接足を運ぶことに重点を置いているため、求人票だけではわからない職場の様子を教えてもらうこともできます。
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出典:ファルマスタッフ
よくある質問
まとめ
薬剤師を辞めたいよくある理由と、辞めたいと思ったときの対処法をご紹介しました。辞めたいという衝動ですぐ行動してしまうと、後で後悔することにもなりかねません。
それでも辞めよう!と思うなら、転職について検討してみてください。自分の理想の働き方をするためにはどうすべきか、しっかり考える機会にするといいかもしれません。
記事内では転職を迷ったときに相談できるおすすめの転職エージェントも紹介したため、ぜひ上手く活用してみてください。