採用ブランディングとは?メリット・デメリット、運用方法について
こんにちは。リクルートの求人広告代理店「株式会社yell(エール)」ライターチームです。
厳しい採用市場が続く近年、「採用ブランディング」が注目を集めています。
採用ブランディングに成功すると、継続的な人材確保、採用コストの削減、獲得競争からの離脱など様々なメリットがあります。
今回は、採用ブランディングのメリット・デメリットや具体的な方法についてご紹介します。
【目次】
- 採用ブランディングとは?
【1】なぜ、今『採用ブランディング』が重要なのか? - 採用ブランディングのメリット・デメリット
【1】採用ブランディングのメリット
【2】採用ブランディングのデメリット - 採用マーケティングと採用ブランディングの違い
【1】採用マーケティングとは?
【2】採用ブランディングとの違い - 採用ブランディングの具体的な方法
【1】マーケットの調査
【2】ターゲットの設定
【3】長期的な採用計画を立てる
【4】ターゲットの心をつかむコンセプトを考える
【5】媒体を選ぶ
【6】運用開始 - 欠員募集の場合に採用ブランディングは使える?
- 採用ブランディングを意識して、安定した人材確保を実現しよう!
1.採用ブランディングとは?
採用ブランディングとは、自社の求める人材(ターゲット)が「この会社で働きたい!」と思うように、
自社の“価値”と“認知”を高めるために、様々な情報発信を行う活動のことです。
例えば、毎年、新卒学生から人気の高い「全日本航空」や「伊藤忠商事」、「トヨタ自動車」といった企業は、会社規模や歴史、これまでのプロモーション活動などから「安定している」、「給与や福利厚生といった待遇が良い」、「社会の役に立ちそう」といったポジティブなイメージを連想しますよね。
採用ブランディングでは、意図的に「株式会社○○といえば?…」というポジティブなイメージを発信することで、採用市場で優位性を構築し、採用力を強化することが狙いです。
【1】なぜ、今『採用ブランディング』が重要なのか?
今、採用ブランディングが重要視されている背景には、少子高齢化による労働人口の減少、SNSの普及などがあります。
日本は少子高齢化という大きな社会問題を抱えています。世の中では、黒字であるにも関わらず従業員を確保できないことによる「人手不足倒産」なるものも聞かれるようになりました。
このような中、継続的に人材を確保するための方法として、自社の持つ“採用力そのもの”を高めようと考える企業が増え、その一つの手法として「採用ブランディング」が注目されるようになりました。
それに加えて、一昔前では「資本力」=「影響力」だったメディア環境もSNSの普及によって大きくかわり、工夫やアイデア次第では予算をかけずに影響力を持つことも可能になりました。
このような背景から、大手企業、中小企業問わず、採用市場に対して積極的な情報発信を行い、採用ブランディングを行っていこうという動きが盛んになったのです。
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2.採用ブランディングのメリット・デメリット
採用ブランディングのメリット・デメリットを確認していきましょう。
【1】採用ブランディングのメリット
質の高い応募者を集められる
採用ブランディングでは、自社の企業文化や求める人物像を、わかりやすく伝わりやすい表現(キャッチコピーなど)で発信します。
そのため、採用ブランディングに成功すれば、自社の採用要件にマッチした質の良い人材を確保できるようになります。
採用コストの削減
採用ブランディングに成功すれば、採用条件に合った応募者が集まりやすくなるので、求人広告費などのコストを抑えることができます。
合わせて入社後のミスマッチを減らすこともできる為、離職率が低下し、欠員募集などで使用していた採用費用を削減することができます。
採用市場において、優位性を確保できる
採用ブランディングによって、採用市場に対して知名度の向上やポジティブなイメージの定着ができれば、求職者から選ばれやすくなり、競合他社や採用市場に対して優位性を発揮することができます。
応募者数が増加する
採用ブランディングが、市場に定着するほど自社の価値と認知度は上がります。認知度が上がれば入社希望者も必然的に増えていき、応募数は増加していきます。
職場環境が改善し、企業の健全性が増していく
採用ブランディングを進めていくと社会からの注目度は高くなっていきます。そのため、コンプライアンス意識が高まり、労務環境などの整備、待遇の改善が進み、企業の健全性が増していきます。
【2】採用ブランディングのデメリット
結果が出るまでに時間が掛かる
採用ブランディングを成功させるためには、継続的に情報発信を行い、多くの方に認知させる必要があります。これには、最低でも3年程度の期間が必要になります。
手間が掛かる
採用ブランディングを行う為には、細かく、継続的な情報発信が必要となります。また、SNSを中心に行う為には、“いいね”や“リツイート”が得られるような優良なコンテンツを週2~3回程度配信していく必要があります。
担当者だけではなく全社の協働が必要
採用ブランディングでは、発信する情報やメッセージが“ころころ”と変わっていてはイメージの定着を行うことができません。そのためには、全社で協働し「ブレないコンセプト」を作り、取り組む必要があります。
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3.採用マーケティングと採用ブランディングの違い
「採用ブランディング」と良く似た言葉に「採用マーケティング」があります。
では、この二つは具体的に何が違うのでしょうか。
【1】採用マーケティングとは?
採用マーケティングとは、「採用したいターゲットや市場を分析し、採用成功できるよう戦略を立てること」です。
例えば、理系の大学生を採用したい企業が、理系の学生に人気のある企業について分析したり、理系学生の就活スケジュールを調査したりして、いつ、説明会を実施するか、説明会ではどんなコンテンツを用意するのか、選考回数は何回にするのかなど戦略を立てていくようなことを採用マーケティングといいます。
つまり、採用マーケティングとは「採用ターゲットを分析し、いかにしそのターゲットを採用するのかという戦略を立てること」といえます。
【2】採用ブランディングとの違い
採用マーケティングが、「採用するための戦略を立てること」であるのに対して、採用ブランディングは「採用戦略にのっとって、自社をブランディングすること」です。
例えば、採用マーケティングによって、“高収入を稼ぎたい”という思いを持った人が、最も自社で活躍することが分かったとします。
そして、求人広告などで「日本一平均年収の高い会社です!」と情報発信を続けていけば、“株式会社○○=日本一平均年収の高い会社”というイメージが浸透し、高収入を得たいと思う人からの応募は必然的に増えます。
この時「日本一年収の高い会社です!」というメッセージを発信し、採用市場に対して浸透させていくことが採用ブランディング活動です。
つまり、採用ブランディングは採用マーケティングに含まれる要素であり、「採用マーケティング > 採用ブランディング」という関係になります。
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4.採用ブランディングの具体的な方法
採用ブランディングを取り入れていくための具体的な手順について紹介します。
【1】マーケットの調査
採用ブランディングを成功させるには、マーケティング調査が欠かせません。
マーケティング調査では、顧客・競合・自社の3つの視点から、市場を理解するための手法として、3C分析がよく用いられます。
3C分析の3Cとは市場・顧客(customer)、競合(competitor)、自社(company)の3つのことで、それぞれの頭文字を取り3Cと呼びます。
市場・顧客(Customer)
【採用活動においては、採用ターゲットとなる求職者】
- 採用市場のトレンドや状況
- 採用ターゲットのニーズ
競合(Competitor)
【採用ターゲットが自社以外に興味を持ちそうな採用競合企業】
- 採用市場での競合企業はどこか
- 競合企業の採用活動状況
- 募集職種や給料といった待遇
自社(Company)
【自社についての分析】
- 企業理念やビジョン
- 知名度
- 自社の商品やサービス
- 福利厚生などの強み/弱み
3C分析では、それぞれの要素毎に事実を集め、採用市場における自社の立ち位置や、競合に対する優位性を客観的に把握していきます。
その他にもマーケット調査では「SWOT分析」、「PEST分析」、「3P分析」といった様々な分析手法を使い、調査します。
【2】ターゲットの設定
採用ブランディングを成功させるには、ターゲットを定める必要があります。
ターゲットの設定は詳細であるほど、具体的な対策がイメージしやすくなりますので、
年齢や性別、どのような志向を持っているかなど、様々な観点からターゲット像を設定します。
1.ベースとなる情報(年齢/性別/居住地など)
2.学歴や職業(専攻/最終学歴/職種など)
3.収入や貯蓄
4.性格(価値観/思考)
5.日常の行動パターン(睡眠時間/起床時間/通勤・通学時間/勤務時間/休日の過ごし方など)
6.人間関係(配偶者や子供、恋人の有無/家族構成)
7.やってみたいと思っていることや、課題など
8.趣味や興味
9.どのくらいインターネットを利用しているか
10.どういったデバイスを使っているか
11.流行への感度
上記のような項目にのっとり、ターゲットを設定しましょう。
ターゲット像の具体的なイメージができたら、そのターゲットについて詳しく分析しましょう。
ちなみに、明確なターゲット像を作った上で対策を検討していく手法を「ペルソナマーケティング」といいます。
【3】長期的な採用計画を立てる
採用ブランディングは、最低でも3年程度は継続的に取り組まなければ効果を出すことができません。
とりあえず数か月だけやってみよう、半年だけやってみようでは、おそらく何の効果、実績も得られずに時間や手間を無駄にすることになってしまいかねません。
採用ブランディングにと本気で取り組むのであれば、最低でも3年程度の採用計画を立てて、根気よく実施していきましょう。
【4】ターゲットの心をつかむコンセプトを考える
採用活動におけるコンセプトとは、「採用ターゲットに対する、一貫した考え方」の事をさします。
例えば、「今年の採用資料は黒を基調としたカッコいいイメージだったけど、来年は、女性をターゲットにしたいからピンクに作り替えて…」という事では、市場へイメージは定着していきません。
ターゲットの心をつかむコンセプトとは、企業が将来にわたって大切にしていきたい思いや、目指す方向性を踏まえてブレないものである必要があります。
また、採用の為に作られた耳当たりのよいものではなく、本質をとらえ、且つ、応募者に伝わりやすい表現である必要があります。
採用ブランディングにおいては、コンセプトづくりが最も重要といっても過言ではありません。
【5】媒体を選ぶ
採用ブランディングを行うにあたり、ターゲットに効率よくアピールするには、どのような媒体を選択するかが、重要です。
【主要媒体】
- 求人募集媒体(各種求人サイトなど)
- 会社説明会
- セミナー
- 自社採用サイト
- SNS(Twitter、Facebook、Instagramなど)
- オウンドメディア(パンフレットやブログ、ウェブマガジンなど自社が所有するメディア)
採用ブランディングでは、転職活動をしている顕在層のみならず、潜在層へのアピールもおこなっていく必要があるため、SNSやオウンドメディアといった直接採用と関係のない媒体も利用する必要があります。
また、媒体選びは様々な可能性を考慮した上で、細部まで検討する必要があります。
例えば、SNSを利用したブランディング活動を行う際に、Facebookを利用するかInstagramを利用するかでは、利用しているユーザーがそもそも異なっているため反響に違いが出てしまいます。
活動を開始する前には、媒体毎のユーザー数の増減など媒体の将来性なども加味して、採用ターゲットに合った媒体を選びましょう。
SNS運用については「SNSで求人掲載!ソーシャルリクルーティングの始め方と事例4選」にて詳しくご紹介しています。
【6】運用開始
ターゲットに合った媒体や運用方針が確定したら、いよいよ運用開始です。
情報発信は、採用コンセプトに乗っ取り定期的に行いましょう。
情報発信では、適宜効果測定を行い、PDCAを回すことで効果を徐々に上げていきます。
効果が出るまでに最低でも3年程度は掛かるため、すぐに効果が出なくても焦らず、じっくりと取り組んでいきましょう。
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5.欠員募集の場合に採用ブランディングは使える?
採用活動には、事業拡大や企業の成長に合わせて計画的に採用する「増員」と、急な欠員などでできるだけ早く採用したいという「欠員募集」があります。
採用ブランディングは一度、軌道に乗ってしまえば増員、欠員募集ともに効果的ですが、これからブランディング活動をスタートするという場合、欠員募集とは相性が良くありません。
そのため、欠員募集のように、期限の決まった採用については、求人広告などを活用して募集を行うのが良いでしょう。
▶ 株式会社yell(エール)の取り扱い求人広告一覧はこちら「取扱い求人広告」
6.採用ブランディングを意識して、安定した人材確保を実現しよう!
採用ブランディングの成果が出るまでは、時間がかかります。自社のそしてブランディングが定着すれば、安定的な人材確保が期待できます。
しかし、前述のとおり、採用ブランディングでは効果が出るまでに時間がかかる施策なので、欠員募集や増員といった短期的の採用の場合は、求人広告等を活用することをお勧めします。
弊社は、毎月400件以上の豊富な採用実績から、採用戦略の立案や際や求人広告を使った採用支援を行っています。
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