看護師で年収1,000万円は可能?稼ぐ人の特徴やおすすめの転職先も紹介
看護師は給与所得者の平均年収と比較すると、給与水準が高い職種です。そのため、年収1,000万円を目指しやすいですが、実際に年収1,000万円を稼げるのか疑問を持つ人は多いでしょう。
そこで今回は、看護師で年収1,000万円を稼ぐことが可能なのかについて解説します。
また年収1,000万円を目指す看護師におすすめの転職エージェントも紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。
看護師で年収1,000万円は可能?
看護師で年収1,000万円を達成することは可能ですが、非常に難しいのが現状です。
令和元年の国税庁「申告所得税標本調査」※によると、申告納税者の中の内、年収1,000万円を超える割合は全体の13.3%です。
そのため、看護師で年収1,000万円を目指すためには、病院の経営に関わるポジションについたり、別で収入を得たりなど工夫が求められます。
看護師全体の平均年収は約500万円
厚生労働省の令和3年度「賃金構造基本統計調査」※1によると、看護師の平均年収は498万6,000円です。
同調査によると、看護師の月給(きまって支給する現金給与額)は34万4,300円であり、年間賞与などの金額は85万4,600円です。
調査時の平均年齢は41.2歳であり、勤続年数は9.2年です。このことからも、給与を高めるためには看護師として長く働くことが、大きく関わっています。
また、令和2年分の民間給与実態統計調査※2によると、給与所得者の平均年収は約433万円です。
そのため、看護師の所得水準は比較的高いことから、他の職種よりも年収1,000万円を達成できる可能性はあるでしょう。
※1出典:令和3年度「賃金構造基本統計調査」
※2出典:令和2年分「民間給与実態統計調査」
月給で40万円以上増やす必要がある
年収1,000万円を達成するためにはひと月あたり約83万3,300円必要です。年収500万円の場合、平均月給に換算すると約41万6,600円です。
つまり、看護師として年収1,000万円に到達するためには、1ヶ月の給与を40万円以上増やさなければなりません。
年収1,000万円を稼ぐ看護師の特徴
欠かせない存在である
看護師に限らずどの職業でも該当しますが、自分自身に価値があり欠かせない存在になることで、見合った報酬を受け取れます。
反対に、看護師であれば誰でもできる仕事であれば、給与水準は低くなりやすいです。
スキルやキャリアがあれば看護師としての価値が高くなり、転職などでも求められやすくなるため、給与水準が高い職場で働きやすくなります。
難易度が高い資格の取得や経験が豊富であることが、その病院にとって欠かせない存在になるための大きな要因になるでしょう。
役職に就いている
看護師として収入を高めるためには、基本給だけでなく手当を受けることも必要です。
年収1,000万円を達成するには、看護師長などの部長クラスの管理職に就くことで大幅な役職手当が期待できます。ただし、役職手当の金額は病院の規模や種類で異なるため注意が必要です。
また、管理職クラスの役職に就くためには、経験の豊富さや勤続年数の長さが求められます。そのため、看護師として収入を増やすためには、長く働くことも必要です。
経営者クラス
経営者クラスの看護師も年収は高い傾向があり、年収1,000万円を実現しやすいです。
一般的に病院やクリニックの院長は医師であることがほとんどであるため、看護師であれば副院長クラスになることで、高収入が期待できます。
その中で先程の「欠かせない存在である」「高い役職に就いている」という要素を満たせば、経営の中枢に参加できる可能性は高くなります。
経営者クラスになれば、病院・施設の業績に応じてさらに高いレベルの給与を実現できるようになるでしょう。
看護師として年収1,000万円を稼ぐ方法
昇給・昇格を目指す
先程の通り、看護師として年収を増やしていくためには、できるだけ高い役職に就く必要があるため、昇給・昇格を目指すことが大切です。
また、年収1,000万円クラスを目指すとなると、求められる業務の難易度は高くなり、スキル・知識・経験が必要になります。
ただし、これらの役職は簡単に就けるものではありません。相応の技術・知識を身に付けるためには、長い時間がかかります。
資格を取得する
昇給・昇格と同様に、資格の取得も年収を上げる有効な手段の1つです。役職手当と同じように資格手当もあるため、給与を増やしやすいです。
ただし、年収1,000万円となると求められる資格のレベルも上がります。また、資格取得が昇給・昇格の条件になっている場合もあるため、年収を上げるために考えるのがおすすめです。
専門看護師
専門看護師とは、特定の分野において専門的な知識・技術を持つことを認められた看護師資格です。
資格を取得するためには、専門看護師認定審査に合格した上で、特定の分野における知識と技術を専門看護師制度委員会に認められる必要があります。
専門看護師に該当する「専門看護分野」は、全部で14分野あり、がん看護や精神看護、老人看護などがあります。
認定看護師
認定看護師とは、専門看護師と同様に特定の看護分野において熟練した看護技術と知識を有する者として、日本看護協会の認定を受けた看護師のことです。
この認定看護分野には、救急看護、皮膚・排泄ケア、集中ケアなどがあります。認定看護師資格は高度な知識・技術が求められるため、収入を上げやすいです。
認定看護管理者
認定看護管理者とは、病院・介護老人保健施設などの管理者として必要な知識を持ち、質の高いサービスを提供できるように組織を発展させることができる看護師のことです。
認定看護管理者になるためには、日本看護協会の認定看護管理者認定審査に合格し、求められる能力が認められる必要があります。
このように、組織を発展させられる管理者としての素質が必要です。また、資格取得のための条件もあるため、誰でもなれるものでもありません。
- 日本国の看護師免許を有すること
- 看護師免許を取得後、実務経験が通算5年以上あること
- そのうち通算3年以上は看護師長相当以上の看護管理の経験があること
病院などの施設によっては、高い役職に就くための条件として、認定看護管理者の資格取得を求める場合もあります。
日本看護協会による2014年の「認定看護管理者の活動実態に関する調査結果」によると、認定看護管理者の役職は看護部長相当が全体の36.6%と高いです。
夜勤を増やす
看護師は夜勤が多い職種であり、夜勤手当がつくことで収入を増やしやすいです。つまり、夜勤の回数を増やすことで一般的な看護師でも年収が上がります。
そのため、役職手当・資格手当・夜勤手当を合計することで、年収1,000万円に届きやすくなります。
しかし、全ての看護師に適用されるわけではなく、救命救急センターやICU(集中治療室)などの場合、夜勤看護師が求められるため72時間ルールが免除される場合もあります。
副業をする
本業の看護師として働きながら、可能な限り副業をすることで収入を増やすことも可能です。
副業することで看護師以外の収入源が生まれるため、副業の種類によっては効率良く年収を高められるでしょう。
ただし、年収1,000万円を達成するためには、通常のアルバイト・パートなどでは目標額までなかなか到達しません。
また、副業によって休みが少なくなり、疲労が溜まることで体調を崩す可能性もあるでしょう。
資産運用をする
手元に資金がある場合は、資産運用することで収入を増やせます。また、資産運用であれば副業禁止の職場でも取り組める点は大きなメリットです。
資産運用の種類は多くあり、積み立てNISAなどの積立投資やFX取引なども該当します。
投資方法によっては大きなリターンを狙えるものもあるので、上手く運用すれば年収1000万円を達成しやすくなります。ただし、大きなリターンがある反面でリスクにも注意が必要です。
転職をする
今よりも手っ取り早く年収を上げたいのであれば、高収入を得られる職場に転職するのも有効な方法の1つです。
例えば、役職が上がったり資格を取得したりしても、手当がつかない職場もあります。そのため、今までと同じような仕事でも、職場が違うだけで年収が高くなる場合もあります。
転職する際には、手当の有無など年収を高める要素があるかもチェックしましょう。
看護師が年収1,000万円に近づくには?おすすめの転職先3選
美容系のクリニック
美容系のクリニックなどには自由診療があります。自由診療は保険外治療であることが多く、治療費が高くなりやすいです。
そのため、還元される金額も大きくなるため看護師としての収入も増やしやすいです。
美容系のクリニック以外にも、不妊治療の専門クリニックや、レーシックを受けられるクリニックも自由診療を行ってます。
制度の詳細はクリニックによって変わりますが、カウンセリングや商品・施術の案内などの件数が多くなることで、年収が高くなります。
ICU(集中治療室)
ICU(集中治療室)は、基本的に24時間体制で集中的に治療・看護を行う職場です。患者の命に関わる治療を行うため、専門的な知識・技術が求められ精神的な負担も大きいです。
しかし、誰でもできる仕事ではないため、ICU看護師は一般的な看護師よりも収入が高い傾向にあります。また、集中治療室は専門的な機器も多いため、覚えることが多い点も注意点です。
夜勤専従の職場
一般的な病院でも夜勤専従の職場であれば、夜勤手当により年収を増やしやすくなります。
先程の通り、72時間ルールがあるため制限が設けられますが、ルールが免除される職場を選べば年収を増やしやすいです。
看護師が年収1,000万円を目指すなら転職エージェントの利用がおすすめ
高年収の仕事を紹介してもらえる
転職エージェントは基本的に無料で利用でき、転職活動を効率良く進めるサポートを受けられます。
転職エージェントに登録すると、担当のキャリアアドバイザーと面談・カウンセリングを実施することがほとんどです。この面談で希望を伝えれば理想に近い求人を紹介してくれます。
自分で探す手間が省けるだけでなく、その転職エージェントが専有している求人や、好条件で一般公開されていない非公開求人などを紹介してくれることもあります。
これらの転職エージェントを活用することで、年収1,000万円を達成できる求人と出会いやすくなります。ただし、高収入を狙える求人は、希望を出せば必ず紹介される訳ではありません。
今までの経験や実績、取得している資格の種類などを加味した結果、紹介されるかどうかが決まります。
そのため、転職エージェントを利用して高収入を目指すのであれば、相応のレベルが求められると理解しておきましょう。
内定率アップのため転職活動をサポートしてくれる
転職エージェントのサービスは、求人紹介だけではありません。内定率アップのために、さまざまな転職活動のサポートを実施しています。
例えば、書類添削や面接対策などです。1人で転職活動をしていると、書類選考や面接の状況が芳しくない場合でも、改善点を自分で見つけて対策しなければなりません。
そのときに、選考書類の良いところと悪いところを添削してもらえることから、選考を突破するための書類を作成しやすいです。
同様に、面接でも模擬面接を受けることで、本番で想定される質問に対して適切な回答を準備できます。
さらに、キャリアアドバイザーは応募先の情報を把握しているため、求める人物像などその求人に合った対策を行えるのもメリットです。
転職先と交渉をしてくれる
転職エージェントを利用すると、応募先とのやり取りは基本的にキャリアアドバイザーを通して行います。
そのため、面接の日程調整から、内定獲得後の条件交渉も代行してくれるのも大きなメリットです。
このように転職のプロフェッショナルの力を借りることにより、転職に成功しやすくなります。
看護師が年収1,000万以上稼ぐための転職エージェントの選び方
ここでは、看護師で年収1,000万円以上を稼ぐための転職エージェントの選び方を紹介します。
- 給与水準が高い職場を扱っている転職エージェントを選ぶ
- 口コミや体験談を活用して転職エージェントを選ぶ
- 求人数やアドバイザーの質を確認する
- 複数の転職エージェントを利用する
それぞれ、みていきましょう。
給与水準が高い職場を扱っている転職エージェントを選ぶ
看護師として年収を上げたければ、給与水準が高い職場を取り扱っている転職エージェントを利用しましょう。看護師の年収はボーナスによって大きく変わります。
いくらスキルがあったとしても、会社の業績が悪いと年収は上がりません。
自分のスキルに自信がある方はハイクラス向けの転職エージェントを利用することで、年収を上げる転職が叶いやすくなります。
口コミや体験談を活用して転職エージェントを選ぶ
口コミや体験談を活用して転職エージェントを選びましょう。実際に利用した人の意見を確認するのは、「このサービスを本当に使ってよいのか?」の判断材料となります。
転職後に後悔しないためにも、口コミを確認してから転職エージェントを選ぶようにしましょう。
求人数やアドバイザーの質を確認する
求人数やアドバイザーの質を確認することも重要です。希望勤務地の求人数が多いほど、自分の理想とする転職先が見つかりやすくなります。
また、良い転職を実現するためにはアドバイザーの質も重要です。いくらスキルがあったとしても、アドバイザーの質が悪ければ理想の転職が叶いにくくなります。
良いアドバイザーの特徴は以下のとおりです。
- 相手の立場に寄り添って相談に乗ってくれる
- レスポンスがはやい
- 介護業界や企業の情報を豊富にもっている
- 多方向の転職の可能性を提案してくれる
上記のようなアドバイザーであれば、理想の転職が叶いやすいです。
一方で、「レスポンスが遅い」「業界の知識が少ない」このようなアドバイザーの場合は理想の転職が叶いにくくなるので、警戒しましょう。
複数の転職エージェントを利用する
複数の転職エージェントを利用するようにしましょう。転職エージェントを複数利用するメリットは以下のとおりです。
各サービスの非公開求人にアクセスできる
複数のアドバイザーからアドバイスをもらえる
アドバイザーの比較ができる
転職エージェントを複数利用することで、バランスのとれた転職活動が可能になります。ただし、複数利用だとスケジュール管理が大変になるのがデメリットです。
年収アップを目指す看護師におすすめの転職エージェント
看護roo!
- 登録することでネット上にない詳しい情報を提供
- 看護業界に精通したプロが転職を全面的にサポート
- 全国の病院やクリニックなどの幅広い求人を網羅
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看護業界に精通したプロが、求人紹介から病院見学、条件交渉まで全面的にサポートしてくれる点は大きな特徴です。
また、全国の病院やクリニック・検診センターなど幅広い求人を網羅しているため、理想の仕事に出会える可能性も期待できるでしょう。
求人数※2023年9月22日現在 | 82,611件 |
主なサービス内容 |
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運営会社 | 株式会社クイック |
出典:看護roo!
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
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公開求人数※2023年9月22日現在 | 120,414件 |
主なサービス内容 |
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運営会社 | レバレジーズメディカルケア株式会社 |
出典:レバウェル看護
よくある質問
まとめ
この記事では、看護師として働くなかで、年収1,000万円を手にすることは可能か否かについて解説しました。
看護師は給与水準が高く、職場や役職、取得する資格によって年収は変わりやすいです。そのため、年収を増やすポイントを押さえることで、年収1,000万円を目指せます。
記事内では無料で利用できるおすすめの転職エージェントを紹介したため、年収アップを目指す看護師はぜひチェックしてみてください。