看護師を辞めたい時はどうする?よくある理由や対処法も詳しく解説
看護師は命を預かる責任やプレッシャーの中で、毎日業務にあたっています。看護師として働く中で、辞めたいと思ったことがある人も少なくないでしょう。
そこで今回は、看護師を辞めたいと思ったときの対処法や看護師の転職を叶えるポイントについて解説していきます。
- 看護師が辞めたいと思う理由
- 看護師を辞めたいときの対処法
- 看護師の転職を成功させる方法
看護師におすすめの転職エージェントも紹介するため、ぜひこの記事を転職について向き合う参考にしてみてください。
看護師を辞めたいと思ったことのある人は多い
2021年10月、日本労働調査組合により全国の看護師536名を対象に実施された「看護師の退職動機に関するアンケート」によると、退職を検討していると答えた人が60.6%でした。
雇用や経済的な安定というメリットは感じているものの、人間関係、責任の重さ、精神的な不安などのデメリットを感じている看護師が多いようです。 難しい試験に突破し、見事看護師になったにも関わらず辞めたいと思ってしまうのはなぜでしょうか? ここでは、看護師を辞めたいという考えに至るよくある理由について見ていきましょう。 人間関係の悩みはどの会社でも挙げられる問題ですが、医療現場には女性が多い、経験が重視される、タイムプレッシャーがあるなど、人間関係を複雑にする要素がたくさんあります。 人間関係にストレスを感じると、仕事そのものが苦痛になります。また、医師との関係を築くのが難しいという声もありました。 病院によっては、人手不足で看護師ひとりに対する負担が大きい、残業が多いといった、労働環境に悩むこともあるようです。また、夜勤が多いと、体のリズムが崩れたり、体調不良が続いたりするケースもあるでしょう。 残業や夜勤があると家庭やプライベートとの両立が難しくなり、辞めたいと感じる人も少なくないでしょう。 患者様の命を預かるプレッシャーの大きさや責任の重さは、看護師ならではの悩みです。 また、チームで働く場面も多いため、自分の仕事がスタッフの仕事に影響を与えることにも、責任の重さを感じてしまうともあるでしょう。 残業や夜勤が多く、命を預かる重責もあるにもかかわらず、それが給料や待遇に見合っていないと感じる人もいるようです。 夜勤手当が低い、残業代がつかないなどといった給料や待遇への不満があると、何のために頑張っているのかわからなくなってしまうこともあるでしょう。 新型コロナウイルス感染症の影響で辞めたいと感じた人もたくさんいます。コロナ患者と接するため、自身も隔離されたり偏見の声をかけられたりと、辛い思いを経験した看護師も多いよう。 看護師の離職者が増え人手不足に陥り、さらに労働環境が悪化してしまったケースも少なくないでしょう。 看護師を辞めたい時には、どんな対処法があるのでしょうか。ここでは、看護師を辞めたいと思った時にすぐに実践できる3つの対処法について紹介します。 一旦仕事から離れるためにも、とりあえず休みをもらい心を落ち着けましょう。もちろん、「人手が足りず休むなんで言い出せる雰囲気じゃない」ということもあるかもしれません。 有給休暇を使うなどして、とりあえず1日でも職場から離れてみましょう。もう限界なのであれば、休職して仕事から一定期間離れてみるという方法もあります。 自分がストレスに感じていることは何なのか、明確にしてみることも大切です。 誰かに相談したり話を聞いてもらったりすることで、自分の気持ちがわかることもあります。 今の職場の環境や人間関係がストレスになっているのであれば、部署異動もひとつの方法です。 働く診療科が変われば職場の雰囲気や人間関係、業務内容も異なり、新しい環境で心機一転頑張ることができます。 もちろん部署異動はタイミングが合わなければすぐには無理かもしれませんが、相談することで何かしら対処を検討してもらえる可能性もあるでしょう。 職場のストレスにより体調やメンタルに何かの支障が出ている場合は、看護師として働き続けるかはさておき、ひとまず今の職場を退職することを検討してください。 ただし、鬱の症状が出ている場合は、急な環境の変化により症状が悪化することもありえます。必ず主治医に「すぐに環境を変えるべきか否か」を確認し、判断を仰ぐようにしましょう。 出典:あなたは大丈夫?うつ病再発の原因と対策を解説!―医療法人東横会たわらクリニック 慢性的に人材不足の病院も少なくないため、不測の事態や残った仕事などにより残業することもあるでしょう。 しかし、残業時間が過労死ラインを超えている、もしくはそれに近いような状態にある場合は、適切な職場環境とは言えないため、退職を検討すべきです。 過労死ラインとは、厚生労働省が定めている過労死等防止対策のことです。 2021年の9月より過労死認定基準が改正され、上記の過労死ラインに当てはまらなくても、これに近い状態が認められれば過労死に見なされることとなり、認定がより柔軟になっています。 過労死ラインを超えていなくても、どう考えても給料と労働が見合っていないという場合も、退職を検討すべきです。 残業しても残業代がつかないといったケースもあるかもしれません。 過去にサービス残業の実績がある場合は、職場総務に相談、それでも支払われない場合は労働基準監督署に相談してみましょう。 「職場だけでなく看護師も辞めたい!」という場合は、看護師として働いた経験や資格を活かした職種を検討するのがおすすめです。 ここでは、看護師の経験を活かせる職種・業界について解説していきます。 産業看護師とは、保健所や病院ではなく、企業に所属する看護師のことです。 企業などに設置された医務室や健康管理室で、社員の急病やケガの応急処置、健康管理、メンタルヘルス対策といった職務を担当します。 勤務形態は企業勤めと同じになるため、一般企業であれば平日のみの勤務で、夜勤や土日出勤もないでしょう。 看護師としての知識を活かして、美容業界で働くという選択肢もあります。美容皮膚科や美容クリニック、エステサロン、マッサージなどの職種で活躍するのもいいでしょう。 基本は日勤のみのため、夜勤もなく残業も少ない傾向にあります。ただし、土日は休みでなくシフト制の不定休であることも多いようです。 看護師資格は必須ではありませんが、治験コーディネーターも看護師におすすめの仕事です。 治験コーディネーターとは、製薬会社が作った薬の開発試験がスムーズに進むようサポートするのが役割。被験者に対して治療内容の説明をしたり相談に乗ったりするのが、主な仕事内容です。 この他にも、フローの作成や関連部門の調整、担当医の補助、企業への報告など、さまざまな業務に携わることもあります。 多くの患者様と接してきた経験を活かして、接客業を選択するのもいいでしょう。接客業とは、業種を問わずお店に来たお客様に直接対応する仕事のことです。 ただし、仕事にもよりますが、接客業の場合看護師資格を活かせる場面は少ないでしょう。また、接客スキルやビジネスマナーを習得する必要もあります。 看護師を辞めると決めたら、退職することを見据えて行動に移す必要があります。ここでは、看護師を辞めたい方に向けて転職の手順を解説します。 ステップ1:転職活動をして、転職先を決める ステップ2:勤務先に退職の意向を伝える ステップ3:業務の引き継ぎを行う ステップ4:有給を消化する ステップ5:退職する 順番にみていきましょう。 自営業をしたい方や無職になりたい方を除いて、転職先を決める必要があります。退職してから転職することもできますが、基本的には在職中に転職先を決めることをおすすめします。 また、離職期間が長くなってしまうと、採用担当者から疑問を持たれ書類選考で落とされる可能性があります。そのため、在職中に転職活動して転職先を決めることをおすすめします。 転職先が決まったら、勤務先に退職の意思を伝えましょう。 円満退社をしたいなら、就業規則を確認しルールに遵守した上で、退職の意向を伝えるようにしましょう。退職の意向は直属の上司に伝えることが一般的です。 勤務先に退職の意向を伝えたら、業務の引き継ぎを行います。仕事のやり方や部署の人間関係など、後任者がスムーズに業務を行えるように細いところまで教えてあげましょう。 有給休暇が未消化のまま残っていたら、退職前までに全ての有給を消化するようにしましょう。有休休暇は最終出勤日までまとめて取得することが可能です。 その期間は次の転職先への準備やリフレッシュなどに利用できます。また、給与も支払われるので、有給休暇を取得した方が得をします。 有給休暇を消化したら、最終出勤日に病院を退職することになります。最終日は引継ぎの最終チェックやデスク周辺やロッカーの片付けを行いましょう。 そのあとに、医師や同僚などお世話になった人に挨拶まわりをします。 相手の業務に支障が出ないように心がけながら、感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。比較的業務が落ち着いている時間帯に挨拶まわりをすることが望ましいです。 いろいろ考えた結果看護師の転職を決意したら、転職に向けて行動あるのみです。ここからは、看護師からの転職を成功させるためのポイントを解説していきましょう。 求人を探す前にしておきたいことは、職場へ希望する条件をピックアップすることです。条件をすべて洗い出したら、その中で優先順位をつけていきましょう。 すべての条件に合う求人が見つかるのが理想的ですが、実際にはそう理想に合う条件の求人を探すのは至難の業です。 看護師の働き方の選択肢はさまざま。夜勤がない、決められた時間内での勤務、家庭の両立などといった優先事項から、条件に合う求人を見つけていきましょう。 気になる求人を見つけたら、応募する前に見学しておくのがおすすめです。求人情報でわかるのはほんの一部のみで、見えない部分もたくさんあります。 見学を依頼するのもいいですが、できれば患者の立場から病院を見学できるといいかもしれません。 スタッフのあいさつがおろそかになっている場合、そんな余裕もないほど忙しいということも考えられます。備品の数が十分かどうかも、スムーズな業務に影響するでしょう。 若いスタッフばかりという場合は、スタッフが定着しない可能性も。また、備品がきちんと整理されていないようであれば、人手が足りていないのかもしれません。 求人情報に記載されている情報ばかりではなく、自分の目で確認する姿勢も大切です。 看護師として働ける職場を探すなら、看護師に特化した求人サイトや転職エージェントを活用しましょう。年収や勤務形態、福利厚生といった条件に合わせて、求人検索しやすいのが特徴です。 自分で希望に合った求人を見つけて自分で応募するのが転職サイトで、転職のプロがすべての工程をサポートしてくれるのが転職エージェントです。 転職エージェントは医療業界の動向や内部事情にも詳しく、有益なアドバイスを受けることもできるでしょう。 リクルートエージェントは公開求人数は365,610件※、非公開求人数は268,817件※と業界最大級の求人を持つ転職エージェントです。 全国の求人を取り扱っていますので、日本のどこからでも利用可能です! また、自分のスキルではどの程度の年収の求人を目指せばいいのかわからない...という人にはキャリア査定サービスがおすすめです。 丸の内/北海道/東北/横浜/静岡/中部/関西/京都/神戸/岡山/広島/九州 マイナビエージェントは20代や第二新卒の転職実績が豊富な転職エージェントになります。もちろん20代だけではなく30代以上の年代の方も利用することができますよ。 公開求人数は2万件以上、非公開求人数はなんと10万件以上保有しています。キャリアアドバイザーとの面談を通してあなたにぴったりの求人を紹介してくれるでしょう。 京橋/新宿/神奈川/北海道/宮城/名古屋/京都/大阪/兵庫/福岡 ビズリーチは、即戦力を求める求人が多い点が特徴です。管理職や専門職、次世代リーダー、グローバル人材などの即戦力・ハイクラス人材に特化しています。 年収1000万円以上の求人も多く保有しているため、年収アップも期待できるでしょう。有料会員になれば、全てのスカウトや求人の閲覧ができます。 全サービス無料で利用できる看護求人専門サイトです。登録することで、ネット上ではわからない求人の詳細情報を提供してくれます。 看護業界に精通したプロが、求人紹介から病院見学、条件交渉まで全面的にサポートしてくれる点は大きな特徴です。 また、全国の病院やクリニック・検診センターなど幅広い求人を網羅しているため、理想の仕事に出会える可能性も期待できるでしょう。 出典:看護roo! レバウェル看護は求人数が120,414件(2021年6月29日現在)となっており、多くのなかから自分に合う求人をキャリアアドバイザーが紹介してくれます。 在籍しているキャリアアドバイザーは看護師求人を専門とする、業界に精通したプロ集団です。 また、リアルな職場の雰囲気や働くスタッフの声が紹介されているため、実際に内定をもらい働き出してからのギャップを軽減できます。 転職・就職成功のノウハウについても紹介されているため、初めて転職活動等をする人にも最適なアドバイスを提供している点も特徴です。 出典:レバウェル看護 看護師であれば誰もが一度は「看護師を辞めたい」と考えたことがあるのではないでしょうか。そのとき考えるべきは、看護師そのものを辞めたいのか、それとも今の職場を辞めたいのかという点です。 看護師資格や経験を活かせる場所は、病院に限りません。広い視点を持って、自分の今後の方向性を探してみるのもいいでしょう。 転職するかしないか悩んだ場合にも、相談相手として転職エージェントを活用するのもおすすめです。記事内では無料で利用できるおすすめの転職エージェントを紹介したため、ぜひチェックしてみてください。看護師を辞めたい人によくある理由は?
職場の人間関係
労働環境がきつい
プレッシャーの大きさや責任の重さ
給与や待遇に不満がある
コロナウイルス感染症の影響
看護師を辞めたい時の対処法
とりあえず仕事を休んでみる
辞めたい理由を明確にする
部署異動で解決できないか考えてみる
看護師を辞めたい!転職した方がよいケースとは
ストレスが大きく体調やメンタルに影響がある
残業時間が過労死ラインを超えている
給料が労働に見合っていない
看護師を辞めて新しい道へ!経験を活かせるおすすめの職種
産業看護師
美容業界
治験コーディネーター
接客業
【看護師を辞めたい方向け】転職の手順を解説
転職活動をして、転職先を決める
勤務先に退職の意向を伝える
業務の引き継ぎを行う
有給を消化する
退職する
看護師の転職を成功させるポイント
職場への優先順位を明確にする
転職前に必ず見学する
転職エージェントを利用する
【総合型】看護師を辞めたい人におすすめの転職エージェント3選
リクルートエージェント
運営会社 株式会社リクルート 主なサービス(機能) 公開求人数※2023年3月30日時点 365,610件 拠点 全国対応可 マイナビエージェント
※マイナビのプロモーションを含みます。運営会社 株式会社マイナビ 主なサービス(機能) 公開求人数※2021年6月30日時点 27,390件 拠点 全国対応可
※マイナビのプロモーションを含みます。ビズリーチ
運営会社 株式会社ビズリーチ 主なサービス(機能) 公開求人数 72,762件※2022年4月1日時点 拠点 東京/首都圏拠点(渋谷)/関西/名古屋/福岡 【特化型】看護師向けのおすすめ転職エージェント3選
看護roo!
求人数※2023年9月22日現在 82,611件 主なサービス内容 運営会社 株式会社クイック レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
公開求人数※2023年9月22日現在 120,414件 主なサービス内容 運営会社 レバレジーズメディカルケア株式会社 よくある質問
まとめ